学習ロードマップ / 開発経験を次の実践へ

AIを導入するFDE
学ぶ順番と、作るもの。

FDE(Forward Deployed Engineer)は、顧客の課題整理から実装、導入までを担う技術職です。ここではAI導入を扱うFDE向けに、共通課題を顧客案件に見立て、課題の合意、導入の制約、検証と引き継ぎを扱います。FDE全般の必須要件ではなく、企業により担当範囲は異なります。

説明できる成果物をつくる

このルートで仕上げる成果物

模擬FAQ向けの課題定義書、導入計画、受入・引き継ぎメモを提出できる。

課題定義書、導入計画、引き継ぎメモの記入例を見る

まず取り組むこと

想定する利用部門を一つ決め、その人が最初に困る作業を一文で書く。

最初のステップへ

活かせる経験要件定義、顧客導入、技術支援、業務システム連携の経験を整理しやすいルートです。顧客と合意した内容と、自分が実装した内容を分けて記録します。

当サイトが提案する学習順序です。各段階の「次へ進む目安」をAI機能の成果物で確認できれば、その段階は復習として使えます。

学習成果と実務経験は分けて記録します。採用要件は応募先の求人で確認してください。

基礎

共通の基礎を、小さく作る

01

共通の演習

APIで回答を返す最小機能を作る

文章を生成する大規模言語モデル(LLM)を、得意な言語から呼び出します。既存のWeb開発経験を、モデル呼び出しの失敗や入力の扱いまで含むAI機能へつなげます。

学ぶこと

  • 既存のTypeScript、Pythonなど得意な言語で始めるAPI連携
  • APIキーをブラウザーへ出さない呼び出し構成と利用量上限
  • 入出力の形式、出力確認、失敗時の表示
作るもの

得意な言語で、公開資料または自作の架空データを質問対象にした「社内FAQの模擬アプリ」を作る。質問、出力確認、失敗時の案内を画面で確認できるようにする。実在の顧客情報や社内文書は投入しない。

次へ進む目安

  • APIキーをサーバー側で扱い、利用量上限を設定し、画面には出していない。
  • 回答内容を確認でき、回答不能・通信失敗時に利用者へ次の行動を案内できる。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合LLM呼び出しで、出力の揺れと回答不能を扱い、秘密情報をクライアントへ出さず、利用量制限まで実装した成果を説明できるなら、その成果を確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

02

共通の演習

公開資料を検索して根拠を返す

回答をモデルの記憶だけに任せず、どの資料を使ったかを利用者と開発者が確かめられるようにするためです。RAGは、検索で得た資料を回答生成時の文脈として渡す構成を指します。全職種で必須の構成ではなく、検索が不要な案件では固定資料や外部APIの情報補足に置き換えられます。

学ぶこと

  • 資料の分割とメタデータ
  • 検索結果を根拠として表示する方法
  • 検索できない質問を扱う設計
作るもの

模擬FAQへ公開資料の検索を追加し、回答ごとに参照した資料名とURLを表示する。検索対象、更新方法、投入しないデータをREADMEに記録する。

次へ進む目安

  • 少なくとも3つの公開資料に対し、根拠付きで回答できる。
  • 根拠がない質問では、推測の回答を避ける表示になっている。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合既存の検索や業務データ連携を再利用しつつ、LLMの根拠不足時に回答を控える扱いまで演習で確認できるなら、その成果を確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

03

共通の演習

評価と本番の安全性を設計する

動くデモを、変更後も品質を確かめられる機能へ進めるためです。評価は、期待する振る舞いをデータと判定基準で繰り返し確かめる作業です。

学ぶこと

  • 代表質問と危険な質問を含む評価データ
  • 品質・速度・コストの観測項目
  • 入力、権限、ログの安全な扱い
作るもの

模擬FAQに10件程度の評価質問を用意し、検索・プロンプト・モデル設定を変えた前後で結果を比較する。ログに質問本文や秘密情報を残さない方針も文書化する。

次へ進む目安

  • 変更前後を同じ質問セットで比較できる。
  • 失敗、遅延、回答不能を確認する項目と対応方針がある。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合既存のテストや監視を再利用しつつ、LLM出力を評価データで比較し、モデル設定変更の判断を演習で確認できるなら、その成果を確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

04

共通の演習

手順を決めずに動く仕組みを、範囲を絞って作る

AIエージェントは、次に何をするかをモデル自身が選び、複数の手順をまたいで目的に近づく構成です。求人の必須要件に挙がり始めた領域ですが、決まった手順で足りる処理までエージェントにすると、遅く、高く、追跡しにくくなります。エージェントにすべき場面と、そうでない場面を区別できることが先です。

学ぶこと

  • 決まった手順(ワークフロー)とエージェントの使い分け
  • 複数手順にまたがるツール実行と中断の設計
  • エージェントの動作を後から追える記録の残し方
作るもの

模擬FAQへ「質問に答えられないとき、公開資料を追加で検索してから再回答する」という2手順までの動きを追加する。手順の上限を決めて超えたら止め、どのツールをどの順で呼んだかを記録する。外部への書き込みは行わない。

次へ進む目安

  • 手順の上限に達したとき、勝手に続けず利用者へ状況を返す。
  • どのツールをどの引数で呼んだかを、後から1件ずつ追える。
  • この機能をエージェントにした理由と、決まった手順で済ませた部分を説明できる。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合LLMに複数手順の判断をさせる機能を本番で運用し、停止条件と追跡の仕組みまで設計した成果があれば確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

実践

AIを導入するFDEの実践へ

05

職種別の演習

課題と成功基準を合意できる形にする

技術選定より先に、誰のどの作業をどう改善するかを確かめるためです。

学ぶこと

  • 利用者・決裁者・運用者の整理
  • 測れる成功基準と前提条件
  • 要望を検証可能な課題へ分解する方法
作るもの

模擬FAQについて、利用部門の課題、対象外、成功基準、確認方法を1ページにまとめ、質問例と結び付ける。

次へ進む目安

  • 成功基準に測り方と確認者がある。
  • 対象外の要望と、その理由を記録している。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合顧客または利用部門と成功基準を合意し、変更履歴を残した成果があれば確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

06

職種別の演習

権限と導入条件を設計する

顧客データや既存システムに接続する前に、利用可能なデータと責任範囲を明確にするためです。

学ぶこと

  • データ分類と最小権限
  • 接続前の確認項目
  • 導入手順と切り戻しの合意
作るもの

模擬FAQの導入チェックリストを作り、公開資料のみを扱う理由、権限、ログ、障害時の連絡先を記載する。

次へ進む目安

  • 扱うデータと扱わないデータを区別している。
  • 導入前の確認者と切り戻し条件が決まっている。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合顧客環境への導入で、権限・データ・切り戻しを合意した実務成果があれば確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

07

職種別の演習

顧客検証を運用へ引き継ぐ

デモの評価結果を、導入後に誰が改善するかまでつなげるためです。

学ぶこと

  • 受入テストと評価質問
  • 利用者フィードバックの記録
  • 担当分界と引き継ぎ資料
作るもの

模擬FAQの受入シナリオを作り、結果、未解決の制約、次の担当者が確認する運用項目を引き継ぎメモにまとめる。

次へ進む目安

  • 利用者が確認する受入シナリオがある。
  • 未解決事項と次の担当者が明確である。
学習資料と、経験がある場合の確認

すでにできる場合顧客検証の結果を運用チームへ引き継ぎ、改善の担当を合意した成果があれば確認して次へ進む。

公式資料で学ぶ

必要になったとき学ぶ

応募先に合わせて学ぶこと

  • 実際の利用者へデモし、評価質問と制約を更新する。
  • 導入後の担当分界と支援手順を関係者と合意する。
  • 応募先の業務で求められる場合に、機械学習、統計、線形代数、モデル学習を深める。

求人1件で確かめる

求人の要件に、バックエンドの経験で示せる証拠を当てる

ソフトバンクのFDE求人を例に、必須要件と歓迎要件から5項目を要約し、バックエンド開発の経験から出せる証拠の例を並べました。左の列は企業の記載、右の列は当サイトの提案です。年数の条件(ソフトウェア開発または技術導入5年以上)と日本語の水準は、成果物では示せないため表から外しています。

求人の要件ソフトバンクの記載の要約示せる証拠の例当サイトの提案
必須顧客折衝を含むプロジェクトを推進した経験示せる証拠の例(当サイトの提案)利用部門や取引先と仕様を詰めた開発で、合意した範囲、対象外にした要望、変更の経緯を残した設計書やチケット。自分が決めたことと、相手と合意したことを分けて書く。
必須Python、JavaScriptなどで本番品質のコードを設計・実装した経験示せる証拠の例(当サイトの提案)設計から担当したAPIやバッチについて、テスト、レビュー、リリース、障害時の対応までを説明した職務経歴の1項目。コードを社外に出せない場合は、担当範囲と変更の規模で示す。
必須AWS、GCP、Azureなどのクラウドでシステムを構築した経験示せる証拠の例(当サイトの提案)本番環境の構成図に、自分が作った部分(ネットワーク、権限、監視、構成のコード化など)を印を付けて示したもの。
必須LLMや生成AIを使ったアプリを構築・導入した経験示せる証拠の例(当サイトの提案)業務での経験がなければ、ここが学習で補う部分になる。このロードマップの共通課題で作る模擬FAQの、評価用データと変更前後の比較結果。
歓迎データセキュリティやガバナンスを設計した経験示せる証拠の例(当サイトの提案)個人情報を扱う機能で、アクセス権限、監査ログ、マスキングを設計した記録。経験がなければ、「権限と導入条件を設計する」の課題で作る導入チェックリスト。

証拠の例は当サイトの編集上の提案です。示せば要件を満たす、または選考に通るという意味ではありません。募集の継続は保証しないため、応募条件は求人ページで確認してください。

出典: ソフトバンク: Forward Deployed Engineer(FDE)/SB OAI Japan合同会社 出向 確認日 2026-10-25

動画教材で補いたい方へ

学び続ける

公式の更新情報を追う方法

週に一度など、続けられる間隔で公式の更新を読みます。使っている機能の変更を一つ選び、同じ評価用データで変更前後を比べ、結果をメモに残します。

教材確認日 2026-09-10。APIの実行には利用料金がかかる場合があります。

次の一歩へ

成果物を応募の準備にまとめる

コード、設計の理由、評価結果、残った課題をまとめ、求人で求められる経験と照らし合わせます。